昭和27年05月10日 衆議院 水産委員会

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政府委員(参事官(外務大臣官房審議室勤務)) 三宅喜二郎
ただいまお尋ねの李承晩ラインにつきましては、お説の通りこれは先方の一方的な宣言でございまして、申すまでもなく国際法の原則というものは、一方のそういった主張によって破り得るものではないのであります。

従いまして日本政府におきましては、こういうものは全然無視と申しますか、問題にせずに、わが方といたしましては、公海自由の原則で、ただ例外としては、双方の利益のために、また世界中の食糧の確保のために、必要な漁族保存のための制限を双方の合意によつて定める、こういうことは考えておりますけれども、李承晩ラインのごときものは全然認めない方針で進んでおります。先方もその後、これにそのままこだわっているとは見られないと思われるのでございます。