昭和39年02月26日 衆議院 外務委員会

[011]
自由民主党 菊池義郎
さらに、日韓会談の途上において韓国がまだ日本の漁船を捕獲しております。李ラインは彼らがかってに引っぱったなわ張りでありますが、そのなわ張りの外の公海における漁労に従事する場合においても、彼らは日本の漁船をこれまで捕獲しております。これは純然たる海賊行為である。



[013]
自由民主党 菊池義郎
総理は、きのうの予算委員会において、日韓交渉が妥結すれば李ラインは自然に解消するということを言われましたが、李ラインが解消されても、いままでの韓国のやり方を見ますと、やはりこの捕獲は続くと思うのであります。それで、この捕獲が続くとなりますと、今後永久に日本の漁民はたいへんな苦難に遭遇せんければならぬということになるわけでございます。

それで、いままで捕獲された日本の漁船は何隻くらいになっておりますか。大体でけっこうです。

[014]
政府委員(外務事務官(アジア局長)) 後宮虎郎
現在まで拿捕されました船舶は、損害額にいたしますと、船体、機関、装備等だけで14億円、その他の物的精神的損害までも入れますと、これが7億にのぼるというような算定も一応されております。

拿捕されました隻数は、李ラインの設定後今日まで220隻、それにこの間第二十二佐代丸が加わりまして221隻になるわけでありますが、乗組員の数は約2670名ということになっております。

[015]
自由民主党 菊池義郎
私の調べるところによりますと拿捕された漁船が317隻、そのうち返されたのが110何隻であります。返されたのはみんな役に立たないぼろ船で、いいものはみんな向こうに残されておるわけなんであります。

韓国は、大統領の選挙のときにも、選挙工作のためにすらも日本の漁船をつかまえておるのです。つまり、自分たちの日本に対する威力を示さんがために、そして選挙を自分のほうに有利に好転せしめんがために日本の漁船をつかまえて、海上保安庁の隊員に銃口を突きつけて連れていく写真までが日本の新聞に出ておるのです。

これを見るところの青少年、国民はどういう考えを持つか。政府信ずるに足らず、日本国家頼むに足らずとの不信感を起こすのは当然であります。こういう点をよく考えてもらいたいのであります。