昭和29年02月13日 衆議院 外務委員会

[097]
改進党 並木芳雄
反省を促しておる結果、日本の漁船の拿捕とかあるいは漁民の抑留とか、そういう事実は減っておりますか。前の抑留された船舶に対する措置、あるいは抑留された日本の漁民に対する措置、そのようなものは現在どうなっておるか、そうして政府はこれに対してどういうふうに処置をとっておられるか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

[098]
政府委員(外務政務次官) 小滝彬
船の方は返しておりませんが、昨年の9月以来のいわゆる李承晩ラインに伴う強硬手段によって向うにとらわれた船員は全部帰って来ております。500名以上返されております。ただそれ以前のものはまだ10数名が向うに抑留されておりますので、その方もできるだけ早く返さすように先方に申入れを続けておる次第でございます。



[109]
改進党 並木芳雄
それから最近は漁船の問題が起っておりませんが、現在抑留されておる船舶の数、それから船員の人数、そういうものがわかりましたら、一緒に説明していただきたいと思います。

[111]
政府委員(外務事務官(アジア局長)) 中川融
従来韓国に抑留されております船の数は、総計57隻であります。そのうち、昨年9月李承晩ラインの強化以後につかまりましたものは43隻であります。これらはまだいずれも帰って来ておりません。

なお漁夫につきましては、李承晩ライン強化以来抑留されました545名は全部帰って来ております。それ以前につかまりました漁夫のうち、18名はまだ帰って来ておりません。これは聞くところによりますと、先方で裁判がいまだ確定しないために残されているということでございます。