昭和28年11月05日 参議院 地方行政委員会

[052]
日本社会党(社会民主党) 秋山長造
それでは外務大臣にお伺いいたしますが、竹島の問題はこの春先から起りまして非常にま新らしい問題である。最近は李承晩ラインの問題に押されて、やや影が薄くなっているような問題ですけれども、あの竹島の問題についてのその後の外交交渉の経過、或いはこの領土権についての外務大臣の御見解を先ず承わりたいと思います。

[053]
外務大臣 岡崎勝男
これは外務省としても歴史的にも又、文化的その他のいろいろなことでかなり資料を集めてはっきりさせつつありますが、私の結論を申せば、これはやはり今自治庁が申したように、日本の領土であることは疑いないと思っております。従いまして韓国側に対しては、これが日本の領土であるという種々の資料を添えて先方に通報しておりますし、又韓国側がこれに対して船を出したり勝手なことをすることは不法であるということについて強く抗議をいたしております。

[054]
日本社会党(社会民主党) 秋山長造
まあ竹島の問題は、そもそも竹島問題が起った動機は、あれは去る5月でしたか、こちらの巡視船が行って見たら、こちらの標柱を引抜いて、向うの標柱が立っておったというようなことからだったと思いますが、あの竹島の問題は李承晩ラインとは別に竹島の領有を向うが主張しておるということなんですか。それとも地図の上に線を引いている李承晩ラインの内側にたまたま竹島が位置を占めておるために、やはり李承晩ライン問題の一環として、竹島もその他の水域と同じように韓国の領土であるということを主張しておるのですか。

[055]
外務大臣 岡崎勝男
これも非常にはっきりはいたしませんが、先方がこちらの抗議に対する回答のようなものを2、3よこしております。それから見ますると、先方は先方で又朝鮮の文献等を引用して、これはずっと昔から朝鮮の領土であったという主張をとにかくいたしておりますので、恐らく李承晩ラインとは関係なく、これはそんなものができるずっと前、つまり何100年も前から朝鮮の領土であった、こういう主張のようであります。