昭和37年08月21日 衆議院 予算委員会

[079]
日本社会党(社会民主党) 野原覺
竹島の解決というのは、竹島を日本領土だと確認することでしょう。日本の立場から言えば、私はそうだと思う。日本の立場から言えば、竹島を解決しなければという場合には、竹島を日本領土として韓国に確認させることですよ。これがない限り国交の正常化はあり得ない。あなたは踏襲すると言った。これは私は重要なことですから、はっきり記録にとどまったと思うのであります。

同時にまた、これは総理にお尋ねいたしますが、李ラインによる漁船の不法拿捕の問題、李ラインは国際法違反、これは総理もそういう御見解を持っていらっしゃる。だからして私は、この不法拿捕の点は韓国に損害賠償の義務があると思うのです。どれだけ不法拿捕したのか知りませんけれども、これは韓国が損害賠償の義務がありますよ。国際法違反、勝手に線を引っぱって、つかまえてひどい目にあわせておるのですから。一体日本は、この損害賠償の問題はいつどこの場で持ち出すのですか、総理大臣。

[080]
内閣総理大臣 池田勇人
日韓関係の正常化を早急にはかりたいという考え方でおるのであります。その間におきまして李ライン問題が違法なりやいなや、ああいうことはやめさすように、たびたび言っておるのでございますが、少し拿捕の回数は少なくなりましたが、まだ全然皆無というわけにはいきません。

しかし、損害賠償をどうするかという問題は、やはりそれをしなければ日韓交渉をしないというわけのものじゃございません。われわれは今までの不本意な状態を今後正常化によって、いわゆる李ライン問題が資源確保、共同利益のために解決すれば、あえて過去のものを私は問おうという考え方は持っておりません。