昭和33年02月17日 衆議院 外務委員会

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自由民主党 大橋忠一
なおこの李承晩ラインの問題でありますが、新聞の伝うるところによれば、最近は李承晩ライン以外の日本の漁船までも拿捕するというような状態があると伝えられておるのであります。

日韓会談の一番の大きな問題は、財産請求権の問題よりも、むしろこの李承晩ラインの問題であろうと思うのでありますが、この問題を解決するために、ただテーブルの上で理屈をこね合って議論しても国際法研究の結果わかったことは、国際法というものはないことであるというようなことを公然と言っているような首脳部が韓国にある。そういような韓国ととても口舌の上で争って解決できるものではないと私は思う。

私はもう数年前から公海におけるわが漁船は実力をもって護衛すべしということを、本会議の席上においても当委員会の席上においてもしばしば発言したのでありますが、一つも実行されない。そのうちに韓国はますますのさばってどしどしわが漁船を拿捕し、ついに李承晩ライン外の漁船までも拿捕するようになった。

これは私の推測でありますが、ただ単に韓国の漁業資源を擁護するためばかりではない、一人でも多く日本の漁夫を捕獲して、そしてこれを人質として日本を圧迫する外交手段に用いている。従いまして、今後抑留者の交換を終って相互に釈放してなくなってしまえば、さらに李承晩ライン外の拿捕が盛んになって、結局九州や中国付近の漁船までも安心して操業ができなくなってしまうだろうと私はおそれておるのであります。