昭和28年03月10日 衆議院 水産委員会

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日本社会党(社会民主党) 辻文雄
同時にたびたびここで言われましたが、きょうは外務省の方は要求してないからおいでになってないようでありますけれども、大体こういうことが起るという原因も、公海の自由操業に根本が置かれてないからであるということがはっきりしております。

今日以西の漁業者はどんな状況であるかといえば、1800隻で、3万数千人の漁民の操業が、実際の面から失われつつある。さらに20数万トン、約75億円くらいの漁獲生産が制約されておる。

こういうことを考えてみましても、たとえば李承晩ラインそのものがわが国にとっては非常な無理がある。独立国家として、このようなものを認めてよろしいかどうかということについては、外務省の政務次官もここへお見えになって、どうもはなはだ漠とした御答弁しかなかった。その上に、外務大臣にしても農林大臣にしても、あまりここにお見えにならぬ。これは川村委員なんかからも、ずいぶん水産委員会をばかにしておるというようなことを再三仰せられたように思いますが、私どももそういう点に非常に不満があるのであります。水産庁は外務省じゃないから、そういうことは外務省がするであろうというようなお考えでは、局部的にあるいは妙な中間漁区をつくってみるとかいろいろなことで苦労された上に、解決がつきかねるというような感じを深くするものであります。