昭和30年11月30日 衆議院 外務委員会

[052]
日本社会党(社会民主党) 松本七郎
さらに、こういう問題の解決が、私は台湾の問題なり、あるいは李承晩ラインの問題なり、すべての問題についての解決の糸口になってくると思うのですが、そういうことは議論しておると切りがありませんから、これはあとに延ばしますが、最近李承晩ラインの問題で韓国政府が強硬な声明を出したということで非常な恐慌を来たしておるのですが、あれは正式な意思表示として政府機関になされたものであるかどうか、もしそうだとすれば、政府としてはどのような方針でこれに臨まれるのか、この点と、それから軍事基地に対する問題について外務大臣としての今後の方針、その一般的な問題を少し御報告願いたいと思います。

[053]
外務大臣・内閣総理大臣臨時代理 重光葵
(前略)

それから韓国の問題について、この間から問題になっております韓国の軍事当局が非常に強いことを言っている、これは私は非常に遺憾に存じます。行き過ぎた声明のように私は考えます。しかしそれをそのままほったらかしておくわけには参りません。いやしくも軍事最高首脳部が言ったことでありますから、それが果してどういう意味であるか、韓国政府はどう考えているかということを今照会中であります。

そういうことについて、すぐそれでは向うがそう考えているならばこっちはこうだというようなことで、売り言葉に買い言葉というふうなことはよろしくないと思って、向うの真意をよく照会中であります。その上において処置しようと考えておりますが、さような状況に相なっております。