昭和30年05月30日 衆議院 外務委員会

[093]
日本民主党(自由民主党) 山本利壽
次に日韓会談の暗礁となっているであろうと思う問題は、李承晩ラインの問題でありまして、ことに日本海における竹島の問題でございますが、この竹島の問題については、平和条約締結のころに、私自身外務委員会及び平和条約特別委員会等において、数回にわたってその時の政府に向って質問いたしました。そのたびごとに、竹島は平和回復後はわが国の領土である、それは間違いないという言明をいただいたのでありまして、このことが当時の新聞あるいはラジオをもって報道されて、ちょうど戦争前にこの島が島根県の管轄下にありましたので、特に島根県民及びその漁民たちは非常な喜びをもって講和条約の締結を待っておったのである。

しかるにもかかわらず、その後において、たとえて申しますと、29年の8月には日本の巡視船の「おき」という船が韓国の竹島警備の官憲から銃撃を受けており、また同年の9月15日には韓国側は竹島の風景入りの郵便切手を発行している。また多数の漁船がこの李承晩ラインにひっかかって拿捕されておって、これは水産庁海洋第二課の調べによるのでございますが、現に5月24日までにまだ帰ってこないところの船が91隻、人の数が289人おり、その中で5人は撃沈されて死亡しているというような状況でございます。