昭和39年03月06日 衆議院 農林水産委員会

[052]
日本社会党(社会民主党) 楢崎弥之助
それから、私は昨年も質問をしておったのですが、いわゆる拿捕漁船に対する賠償の点、これは、日本側はそのつど留保しておるのです。その留保をずっとしてきておるという方針に変わりございませんか。

[053]
説明員(外務事務官(アジア局賠償部長)) 卜部敏男
請求権を留保いたしておることに変わりございません。これは外務当局でもそういうふうにしております。

[054]
日本社会党(社会民主党) 楢崎弥之助
そうすると、漁船の問題についていままではそのつどやられておったが、外務省はやってないでしょう。最近の拿捕漁船についてやっておりますか。これはいつまでやって、いつからやっていないのですか。

[055]
説明員(外務事務官(アジア局賠償部長)) 卜部敏男
一番最後に拿捕されましたのは第二十二佐代丸でございますが、1月の29日でございまして、さっそく抗議し、かつこれに対する損害賠償、補償のクレームを留保してございます。



[106]
民主社会党 中村時雄
それからもう一つ、先ほど外務省からも話が出ましたが、2月20日に佐代丸事件というものがありましたね。これは韓国に拿捕されたわけです。拿捕してしまったほうは、李ライン内に入っているから拿捕したのだということを言うに違いない。先般はソ連において抑留された漁船もあるわけであります。それはみな協定内において云々されておったから拿捕したのだ、つかまえたのだというのでしょう。それは昔の特高ではないけれども、必ず言いわけはするわけでありますが、われわれのほうとしては、そこに入っていないという主張を当然いたします。そのことを争ってみてもしかたがないので、この会談をさなかにして、こういうことがわかっておりながら、2月20日にこういうことをやっておる。

以前拿捕されたときには、たとえば韓国のほうでは、米を代替にして拿捕者を日本のほうへ送還するなんてごまかし方をやってみたり、あるいはもみでなくして精米でこっちへ送ってくれというようなだまかし方をしてみたり、いろいろな事件があったわけであります。ところが、会談を間近にしてまた再びこういうようなことをやっている。