昭和30年08月17日 参議院 農林水産委員会

[005]
自由党(自由民主党) 秋山俊一郎
しかしながら事はきわめて重大な問題になって参っておりますし、ただいま陳情にございました通り、李承晩ライン、俗に李ラインと申しております線が引かれまして以来今日まで2600有余の抑留者を出し、200隻に余る拿捕船が出まして、今日なお残っている者は542人ということでございます。

(中略)

最近8月に入りましてわずか10数日しかたっておらぬのに200数十名の者が抑留され、11隻の船が拿捕されるといったようなことに対しまして、一体どういうことをしているのか、この点を一つ国民の前に明らかにしていただきたいと存じます。



[008]
説明員(海上保安庁次長) 西田豊彦
これは一つの例でありますが、7月の22日に、農林漁区の232区といいますと済州島の東方でありますが、そこで底びき漁船第二千穂丸44トンが拿捕せられる事件が発生したのであります。

このときにはちょうどその近所におりました巡視船こしきが緊急通信を受けまして、さっそくにその現場におもむいたのでありますが、そこには9時10分ごろでありますが、武装韓国兵数名が認められた第二千穂丸を発見したのであります。

そうしてさっそくに停船信号を掲げ、とまってくれ、そうしてなお釈放を要求したのでありますが、相手方の船は全然これを無視して向うに行ったのであります。巡視船はさらにこれに近接して折衝を開始しようとしましたところが向うから発砲を見まして危険を感じましたので、これ以上やりますと問題が大きくなりますので、やむを得ず離脱したというような事件もあったのであります。