昭和38年01月29日 衆議院 予算委員会

[025]
自由民主党 井出一太郎
そこで従来李承晩ラインをはさみまして、日本の漁船が今まで幾多拿捕されておる。一体その隻数、トン数あるいは人員、そのうち没収されたものがどうか、返還されたものがどうか、こういうことを、時間の都合もございますから、このことは水産庁に関係しますか、外務省ですか、いずれにもせよ、これは私は資料でちょうだいしておきたいと思います。

そうしてそのぎりぎりの結論として、一体今没収されたものがどれくらいあるのか、あるいは向こうに抑留されておる漁民は現在幾人おるのか、これだけは一つ明確にしておいていただきたい。

[026]
外務大臣 大平正芳
李ライン設定以来今日まで、1月28日現在まで、韓国側に拿捕された漁船の総数は204隻でございます。1万2113トンでございます。抑留漁船員の総数は2506名となっております。このうち、未帰還の漁船は171隻、9666トン、現在も抑留中の漁船員は27名でございます。

[027]
自由民主党 井出一太郎
今伺いました数字によりますると、人員は大部分釈放にはなったものの、漁船はほとんどまだ大部分のものが向こうに拉致されたままになっておる形のようでございます。これは今までもう少し何とか手だてがなかったものかという感じがいたしますが、これに対しては、終戦以来起こった事柄でございまして、補償を要求する、向こうはそれを考える、何かそういうようなことは議題になっておりませんか。

[028]
外務大臣 大平正芳
先ほど私が申し上げました通り、この問題は、漁業問題処理の一環として処理して参りたいということでございまして、当方から、おっしゃったように要求すべき性質のクレームであることに間違いがございません。