昭和30年12月16日 衆議院 外務委員会

[069]
自由民主党 並木芳雄
最後に中川アジア局長に日韓問題について伺いたい。これは国連問題で日韓問題のその後の決着というものが影を薄くしておりますが、どうなっておりますか。日韓問題の李ライン交渉については、久保田発言を取り消すべし、財産権の請求権を放棄すべし、大村収容所の韓国人を釈放すべし、この3つの条件を出しておりますが、これに対する政府の態度ははっきりきまったのですか、どうですか。

[070]
政府委員(外務事務官(アジア局長)) 中川融
日韓問題の早期解決につきましては、先般国会の決議もございまして、あの趣旨に基きまして、政府としてはできるだけ早くこれの解決をはかりたいということで、目下いろいろ苦心してやっております。これにつきましては、韓国と直接交渉することはもちろんでありますが、なお双方にとりましていわば共通の友邦であるアメリカにも、強力にこれの協力を要請いたしまして、いろいろな方法をもちましてこれの解決をはかりたいということで努力いたしております。

大村収容所の問題は、これらの根本的な問題とは切り離しまして、ぜひ早期に解決し、これによって韓国に不法抑留されておる日本人漁夫の早期帰国をはかりたい。これも努力いたしております。

いずれもまだ具体的結果を見る段階には至りませんが、そのうち早期解決を要するような人道上の問題につきましては、とにかくできるだけ早く実現したいということで進んでおります。