昭和36年03月30日 参議院 予算委員会第二分科会

[059]
民主社会党 田畑金光
その後、李ラインの中で、この交渉が始まってから漁船の拿捕とか船員の抑留とか、こういうようなことはあるのかないのか教えてもらいたいと思います。

[060]
外務大臣 小坂善太郎
御承知のように昨年の10月、張勉政権は当時抑留しておりましたわれわれ同胞船員を釈放してくれたのでございます。その後しばらくございませんでしたが、1月13日1度ございました。しかしこれはわが方から厳重に抗議いたしましてほどなく釈放されました。

それから最近、3月の中旬、第二進栄丸が拿捕せられたのでありますが、これまたわが方から厳重に抗議いたしまして、先方から釈放を受けました。

現在は秋田丸1隻が抑留せられておりまして、約10名の同胞が抑留されております。こう聞いております。

[061]
民主社会党 田畑金光
秋田丸が拿捕され、船員10名が抑留されているわけですが、これについては話し合いはどうなっておるのか、釈放される見通しはあるのかどうか、それを明確にしてもらいたいと思います。

[062]
説明員(外務省アジア局外務参事官) 宇山厚
第二秋田丸の拿捕事件がございまして、さっそく外務省といたしましては韓国側に厳重な抗議をいたしまして、釈放を要求しておるのでございます。口頭で2回やりましたあとでまた正式に書面で要求をしておるのでございますが、韓国側はまだ回答をよこしておりません。

最近の状況を見ますと、先ほど大臣から御説明がございましたように、入江丸の事件、それから第一進栄丸の事件、ともに釈放をいたすようになっておりますので、今度の場合にも何とかしてできるだけ早くその釈放が実現するように、今後とも努力いたしたいと、こう考えております。

[063]
民主社会党 田畑金光
この点は大臣どうですか。近く解決の見通し、また、韓国に話をして韓国が快く了解して、釈放されるという自信をお持ちですかどうか。

[064]
外務大臣 小坂善太郎
今、友好的に会談を進めておる際でございまするので、かようなことをされることははなはだ遺憾であるという点を強く申し入れておる次第でございます。ただいま参事官から御答弁申し上げましたように、前2回はわれわれの主張を入れてくれたわけでございます。今回もさようになりますように極力努力したいと考えております。