昭和35年03月26日 参議院 予算委員会第二分科会

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無所属 辻政信
時間がないので、私の調査を御参考に申し上げる。李承晩が国際法を無視して、一方的に李ラインを宣言した直後、昭和27年1月28日でしょう、外務省が最初の口上書で、これは亜2号、第8号ですね、韓国に抗議されておる。それから昭和34年9月23日まで、8年間41回、同じような口上書を韓国政府に伝えておる。効果がありましたか。

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外務大臣 藤山愛一郎
残念ながら十分な効果を現状期待し得ないのであります。

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無所属 辻政信
この8年間に41回の抗議を出しておるが、返事はございましたか。何回ありましたか。

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政府委員(外務省アジア局長) 伊関佑二郎
回数は覚えておりませんが、返事はございます。返事と申しますよりも、向こうから逆抗議をしておる、向こうの主張を言ってくるというような形でございました。

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無所属 辻政信
8年以上も根気よく41回のラブ・レターを出した。相手からは一回もいろよい返事がない。これくらいのことが一体ありますか。常識で考えてないことはわかっているでしょう。国内の世論があるから、仕方なしに抗議をする。聞くということを考えずにやっている。これがいわゆる外務省の外交事務。責任のがれと言われても仕方がない。

いいかげんに思い切ったらどうですか。ラプ・レター41回出して、8年間いろよい返事は一ぺんもない。最後にたんか切ってきた。いいかげんに見切りをつけて、その方法ではいけないということが、もう8年の経験から出なければならぬと思います。どうですか、藤山さん。

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外務大臣 藤山愛一郎
竹島の問題も同様でございます。日韓会談そのものも8年間と申して差しつかえないのであります。先般も申し上げましたように、私はこの問題を扱いましてすでに2年半でございます。あるいは近く3年になるところでございます。相当これはこのままでいっては長過ぎるという感じは、私自身も持ってきておるわけであります。全面的な日韓関係と、竹島の問題とは十分考慮していかなければならない、こういうふうに存じております。