昭和28年12月01日 参議院 水産委員会

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政府委員(水産庁長官) 清井正
先般からいろいろ問題になりました問題につきまして、只今までの経過をかいつまんでお話し申上げたいと思うのでありますが、御承知の通り、抑留されました漁夫は殆んど実は帰って参りましたが、まだ未帰還が67人おります。それから船舶が50隻まだ未帰還ということになっておるのが実情であります。

67人の内訳は大体今年の2月に捕まりました第一太平丸という船、これは12人未帰還であります。3月に捕まりました松福丸、6人の未帰還であります。それから極く最近に第七あけぼの丸という船が捕まりまして、これが25人、そのほかに香焼丸、この船員が24名捕まりまして、合計67人がまだ未帰還という実は状況でございます。

第一太平丸、松福丸につきましてはすでに何回も外務省から口上書を以て即時返還及び賠償を留保する意味においての口上書を出しておるのでありますが、その後何らのこれに対する回答がなくて今日まで至っておるように聞いておるのであります。なお最近の拿捕されたものにつきましても同様の措置を外務省においてとっておる次第であります。

第一太平丸は恐らくこれは領海侵犯のようなことで刑を受けているのではないかと思うのでありまするが、たしか現在は聞くところによるというと、第一審で有罪の判決を受け、第二審に控訴中で大邱にたしかいるというような話を聞いておりますが、確かなことはわかりません。松福丸につきましても外務省としても同様の措置をとっておるのでありますが、まだこれに対する詳細なことは判明いたしておりません。

いずれにいたしましても、今年の2、3月頃に捕まりましたものと、極く最近に捕まりましたものと、これが未帰還になっておりまして、その他いわゆる先般9月7日以降最近の事態におきまして捕まりました船員は全部帰還をいたしておるということでございます。船舶のほうは李承晩ライン設定以来未帰還50隻であります。そういう状況であります。