昭和38年03月19日 参議院 予算委員会

[073]
民主社会党 田畑金光
韓国により拿捕された漁船、抑留者というのは、一体今日までどの程度になっておるのか、数字的に明らかにしてもらいたい。

[074]
農林大臣 重政誠之
数字にわたりますから政府委員をして御答弁いたします。

[075]
政府委員(水産庁長官) 庄野五一郎
お答えを申し上げます。

韓国によりまする拿捕漁船の総数は、現在までに至ります数字といたしまして304隻に相なっております。それで、抑留されました船員は3689名、こういうことになっておりますが、そのうち帰還いたしました分が121隻、帰還いたしました漁船乗組員が3638人、こういうことに相なっております。

それで未帰還の漁船が現在におきまして181隻、抑留中の船員が43名、こういうことに相なっております。

[076]
民主社会党 田畑金光
抑留されておる船員が43名も現在おるわけですが、現在この乗組員の人方が乗っていた船は、どういう船だったのか、それから、当時どういう事情のもとで拿捕されたのか、それを明らかにしてもらいたい。

[077]
政府委員(水産庁長官) 庄野五一郎
拿捕、抑留されました漁船は、李ラインの内あるいは李ライン付近におきまして漁業操業中の船、こういうことに相なっております。それで、これらの船は御承知のように以西底びきあるいはまき網等漁船でございまして、それが操業中に拿捕された、こういうことに相なっております。

[078]
民主社会党 田畑金光
私の調べたところによれば、第百七十七明石丸あるいは第十五新栄丸等、現在拿捕された漁船は、現に操業中ではなくして黄海のエビ漁場に向かって航行中であったにもかかわらず、韓国の警備艇に不当不法に拿捕されたといういきさつになっておると聞いておりますが、その点はどうですか。

[079]
政府委員(水産庁長官) 庄野五一郎
中にはそういうのもございまして、そういう漁場に到達するために航海中だ、こういうのも過去においてあったわけでございますが、そういう点につきましては事情を説明し、短期抑留で返還になっている分が相当あると存じております。