昭和30年11月18日 参議院 外務委員会

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説明員(外務政務次官) 園田直
なお本日の新聞によりますると、韓国の問題に関しまして、韓国の参謀本部より、場合によっては日本側の漁船及び密輸船及び海上警備の艦艇等が李ラインを侵犯する場合には砲撃も辞さないというような声明を出したと報ぜられておりますが、これはきわめて重大なものでございますので、韓国に対してはいろいろな問題がございましたが、御承知の通りわが政府といたしましてはしばしば誠意をもって、しかも韓国のいろいろな理の通らない、非常に無理なような行動に対しましても、円満に誠意をもって解決すべく努力をしてきたことは御承知の通りでございまして、その時期に突如としてこのような問題を出されたことは、那辺に理由があるかわかりませんが、理由のあれは別といたしまして、本日午後事務次官より、金公使を招致をして、これに対する問い合せ及び抗議の意味の問い合せの公文書を出す手はずをいたしております。

前記のような声明書が出されましたが、これは事実であるかどうか。事実であるとするならば、これは国際平和を撹乱をし、世界の外交の慣例を破り、これに反する重大な問題であるが、果して事実であるかどうかというまず抗議を含めた問い合せの申し入れをするつもりでありまして、これの結果を待ちまして検討したいと考えております。