昭和53年02月17日 衆議院 予算委員会

[022]
日本社会党(社会民主党) 岡田利春
次に、これは運輸大臣に伺っておきたいと思うのですが、対馬海域における韓国船のいわば漁業専管水域侵犯、領海侵犯、あそこは国際海峡ですから、わが国の領海法は適用除外にして、漁業専管水域にいたしておりますけれども、本来であれば、12海里でありますからわが国の領海でありまして、準領海、こう言わなければならぬわけであります。

500数十隻に上る侵犯船があって、11隻が拿捕された。もちろん裁判で、執行猶予でそれぞれ解決をされておるようですけれども、かつて李ラインをわが国の漁船が越えたときは、根こそぎ拿捕されたわけですね。

ですから、新しい領海法あるいは漁業専管水域12海里を敷いたこの対馬海域において、海上保安庁の取り締まりというのは国際関係を考えて配慮をしておるのか、そんな感じがしてならないわけですが、この状況について、また方針について、この機会に説明を伺っておきたいと思います。

[023]
運輸大臣 福永健司
お話しの水域では、現在のところ、巡視船艇4隻ばかりで常時、御指摘のようなことの監視等に当たっているわけでございますが、相当数の侵犯というか、その種の件があるわけであります。悪質なものについてはもちろん逮捕しておりますが、お話のように、多くのものにつきましては、これに警告を発する等の措置で向こうへ渡したり、あるいは誓約書を入れさせて帰しているというようなこと等があるわけであります。しかし、私ども考えましても、さらに厳正を期する必要があろう、こういうように思います。

そこで、新海洋秩序のもと、一層それを強化しなければなりませんので、30メートル型巡視船艇等についても、これを強化するという方針で進んでおります。飛行機等によっても所要の監視等を行っているわけでございます。なお一層これを強化充実していきたい、そういうように考えております。